
※もう一つの方の記事に書く。
コーピングクエスチョンは、可能性療法の中で使われる重要な質問技法の一つです。
**「コーピング」とは、困難な状況やストレスに立ち向かうための「対処」**を意味します。
人は誰でも、程度の差はあれ、困難な状況に直面した際に、それに対処しようと何らかの行動をとっています。
コーピングクエスチョンは、まさにその**「どうやって対処しているのか?」**に焦点を当てた質問です。
具体的な質問例
「問題が起きても、どうやって乗り越えていますか?」
「つらい状況の中でも、どうやって自分を支えていますか?」
「〇〇さんが、それでも前向きに過ごせているのは、なぜですか?」
「困難な状況に直面した時、〇〇さんはどんな風に工夫して乗り越えていますか?」
コーピングクエスチョンの目的
クライアントがすでに持っている対処能力を認識させる
クライアントは、自分が問題に対処できていることに気づいていない場合があります。 コーピングクエスチョンによって、自分の強みやリソースに目を向けさせ、自信や自己肯定感を高めることができます。
問題解決のためのヒントを引き出す
自分の対処法を意識することで、クライアントは新たな解決策を見つけ出すヒントを得られる可能性があります。
クライアントのレジリエンス(回復力)を高める
自分の対処能力を認識することで、クライアントは困難な状況にも立ち向かう力を育むことができます。
コーピングクエスチョンを使用する際のポイント
クライアントの状況に合わせて質問する
クライアントが抱えている問題や状況に合わせて、質問の内容を調整することが重要です。
非難するような口調にならないように注意する
「なぜそんなこともできないのですか?」といった非難めいた口調にならないよう、優しく問いかけることが大切です。
クライアントの答えを尊重する
クライアントの答えに対して、否定的な反応を示したり、正誤を判断したりすることは避けましょう。
コーピングクエスチョンは、クライアントの強みや可能性を引き出すための有効なツールです。
この質問技法を用いることで、クライアントは、
「自分は一人ではない」
「自分は困難な状況にも立ち向かう力を持っている」
ということに気づき、より積極的に問題解決に取り組むことができるようになるでしょう。
参考資料:
ビル・オハンロン、サンディ・ビードル、宮田敬一 (2004). 『可能性療法: 効果的なブリーフ・セラピーのための51の方法』 金剛出版.