
短期間で変化を起こすセラピーの魅力
ミルトン・エリクソン
彼は20世紀を代表する精神科医であり、催眠療法や家族療法の世界に革命を起こした人物です。
彼の革新的なアプローチは、今もなお多くの心理療法家に影響を与え続けています。
そして、エリクソンの影響を色濃く受け継いだセラピーの一つが、 可能性療法です。
可能性療法は、ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピー(SFBT)をベースに、
ビル・オハンロンによって提唱された、短期間で効果を目指す心理療法です。
従来のセラピーのように、過去の問題や原因を掘り下げる代わりに、
「どうなりたいか」という未来に焦点を当てるのが、可能性療法の最大の特徴です。
可能性療法は、問題の原因を深く探る代わりに、解決策に焦点を当てるため、
短期間で変化を実感しやすいというメリットがあります。
セラピストは、クライアントに指示するのではなく、クライアントが本来持っている
強みや能力を最大限に引き出し、自ら解決策を見つけることができるようにサポートします。
過去のつらい経験にとらわれるのではなく、未来の目標や希望に目を向け、前向きな変化を促します。
過去のトラウマや問題の原因を探るのではなく、「どうなりたいか」という未来に焦点を当てます。
過去や原因を探る代わりに、未来の目標や解決策に目を向けます。
問題を抱えている中でも、クライアントが持っている能力や資源(リソース)を活かすことを重視します。
大きな変化を求めるのではなく、小さなステップを踏むことで、目標に近づいていきます。
セラピストは指示するのではなく、クライアントと一緒に解決策を探していきます。
短期間で効果が出ることを目指します。
「もし魔法のように問題が解決したら、どんな変化がありますか?」
「問題が起きなかったのはどんな時でしたか?」
これらの質問を通して、クライアントは自身の内側に眠る
解決策を見つけるためのヒントを得ていきます。
「10点満点で、今の状態を何点だと感じますか?」
のように、問題の程度を数値化することで、変化を客観的に捉えます。
「問題が起きても、どうやって乗り越えていますか?」
と質問することで、クライアントがすでに持っている対処能力を認識させます。
・過去のトラウマや問題の原因を探ることに疲れた方
・短期間で効果を実感したい方
・自分自身の力で変化を起こしたい方
可能性療法は、未来への希望を見出し、より良い人生を創造するための力強いツールとなります。
『可能性療法: 効果的なブリーフ・セラピーのための51の方法』 ビル・オハンロン、サンディ・ビードル、宮田敬一 (2004). 金剛出版.